まりちゃん通信(6)

マレーシアのじゃんけん



 マレーシアにもじゃんけんがあります。今、日本語を習っているという18歳の学生さん達から取材しました。地方によって声のかけ方、呼び名などが違います。

 日本のじゃんけんに一番近かったのが、サラワク州(ボルネオ島)出身の学生さんのじゃんけん。グーチョキパーの作り方は同じ。ただしパーの‘紙’が‘布’になっています。かけ声は、ただ「サトゥ、ドゥア、ティガ!」(日本の「いちにのさん!」と同じ)で出すそうです。
 取材した中で、一番普及していたのが、「オーソン」。人によっては、「オーゾン」とも言います。マレー半島で一番普及していると思えるじゃんけんです。‘紙’が‘水’あるいは‘川’になり、‘はさみ’がなくて‘鳥’です。‘川’は‘石’を転がすので‘川’の勝ち。‘鳥’は‘川’の水を飲むので‘鳥’の勝ち。‘石’で‘鳥’を殺せるので‘石’の勝ち。となります。

 マレー半島の南端、ジョホール州出身の学生さんの教えてくれたじゃんけんは「オージェス」。「これが‘鳥’、これが‘石’、これが‘鉄砲’、これが‘太陽’、これが・・・」「えっ?!まだあるの?」結局5種類ありました。いつも全種類を使うのではなく、人数や状況などで決めるそうです。大抵は、‘鳥’‘川’‘鉄砲’の三つを使うそうです。‘太陽’は負け知らずのオールマイティですが、誰に聞いても使ったことがないと言う変な‘太陽’です。‘太陽’と‘水’の違いは、手のひらを相手にかざすように出すと‘太陽’で、日本のじゃんけんのパーのように出すと‘水’になります。ただし、日本のパーのように指を伸ばして広げずに、5本の指をそろえて、水をすくうようにあまりぴんと伸ばさずに出すようです。

 マレー半島北部ペラ州出身の学生さんが教えてくれたじゃんけんは「ワンツーソン」。(この呼び名は英語混じり?)これは4種類に限られているそうです。

 じゃんけんのほか、「うら おもて」に近い遊びもあります。「ライライリータンプロイ」といって、手のひらか甲を出します。3人以上でします。誰か一人だけ違うとその人の勝ち、あるいは負けとなるそうです。

 そのほか、二人でする「タン スアン」というのもあります。まず、どちらかがタン、もう片方がスアンになります。「せーの。」(と声はかけませんが)二人同時に、何本か指を出します。出された指を「タン スアン タン スアン・・・」と追っていき、最後になった方が勝ちです。左の図では、最後がスアンになるので、スアンの勝ちとなります。

 オリジナルはどこか、中国系やインド系はじゃんけんをするかなど詳しいことは分かりませんでした。私のつたないマレー語では全く話にならず、彼らの日本語力に頼っての取材でした。日本語を習い始めて1年半でこんなに話せるのかと感心するばかりでした。(それだけハードな勉強を、彼らはしています。)

 では、Jumpa lagi!



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1996,5,21更新